食事制限でダイエットをすると起こりがちな便秘。
便秘はおよそ人口の30%ほどが悩まされている、現代に根付いた深刻な障害です。
便秘になってしまうと食事制限ダイエットで努力をしているあなたとってとてもつらい障害になります。
もし、適切な食事内容や習慣を知ることができ、簡単に実践できるのなら、その便秘リスクから身を守ることができるでしょう。
便秘に大切と思われる5つの項目を意識を置いた食事制限ダイエットを実行して、体の内外から綺麗・健康になりましょう。
Contents
食事制限ダイエットが原因の便秘とは
便秘の概要
お通じが困難、もしくはまれな状態です。
お通じの回数は通常1日1-2度ほどあるのですが、それより極端に少ない場合、便秘の症状に該当します。
しかし、お通じの回数が2,3日に1度くらいでも、便に異常がなく排泄時に苦痛を感じない場合、便秘としなくても良いケースはあります。
ただし、毎日お通じがあっても、便が硬くて少量であり残便感を伴う、お通じに苦痛を感じる等の場合は便秘といえます。
- お通じが週3回未満
- お通じのとき辛く感じる
この2点いずれかに該当する場合、便秘の疑いがあります。
食事制限ダイエットに伴う便秘の原因
食事制限ダイエットをすると食事の量が少なくなりがちです。食事制限ダイエットをして残渣(消化後の残りカス)が多い食材(イモ類・動物性脂質など)を控えてしまい、便の容量が大きくならず、容易に排便することができず便秘となります。
合わせて、少ないお通じの回数や、ストレス、自律神経の乱れ等の原因で極めて繊細な体内の排便メカニズムが狂い、うまく直腸が伸びない、筋肉が弛緩されない等の症状と合併して悪化するケースが多いです。
また、水分補給が少ないなどの原因で便が固くなり、お通じが困難になるので注意が必要です。
便秘がもたらす悪影響
QOLへの悪影響
“QOL”は”quality of life”の略です。ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し
ます。
- 身体的異常がないこと
- 心理的精神的異常がないこと
- 社会的問題がないこと
の尺度で判断するのですが、便秘はこれに大きく悪影響を及ぼすことがわかっています。
硬い便の便秘が原因で、腹痛を起こす、強いいきみが必要になる等の身体的な痛みと、残便感、不快感を起こし、合わせて何度もトイレに行きたくなる事などがストレスにつながることがあります。
病気のリスク
有害物質が腸から吸収され、肌荒れやニキビ、風邪、口内炎などアレルギーの原因になるばかりか、大腸がんのリスクになる可能性があります。
痩せにくくなる
便秘になると腸の活動低下などの原因で代謝が落ちます。代謝が落ちると痩せにくくなります。
便秘を解消する5つの習慣
多くの場合、食事・生活習慣を少し改善するだけで便秘改善、便秘予防の効果がはっきりと現れます。
忙しい方でも気軽に取り入れられる習慣がたくさんあるので、あなたが実践できる内容からお試しください。
食物繊維を摂る
注意!
食物繊維摂取が便秘解消に有効なのは、便の結腸通過時間(便が腸を通って肛門へ向かうための移動時間)が正常な場合です。
もし、あなたが結腸通過時間が遅いタイプの便秘(初潮後の女性に多くある症状で排便回数が極端に少ない)だった場合、食物繊維摂取が便の容積を増加させ、症状が悪化する場合があるので注意してください。
排便回数が週1回未満の場合、1度病院で検査することをおすすめします。
食事制限ダイエットにおける便秘対策の基本”食物繊維を摂る”を意識しましょう。食物繊維には2種類あります。
不溶性食物繊維
主に便の容量を増加させ便意を起こし便秘を解消する働きがあります。例としてさつまいもやごぼうなどに多く含まれます。
水溶性食物繊維
便の水分含有量を増加させ便を柔らかくし排便を容易にし便秘を解消する働きがあります。例として海藻やりんごなどに多く含まれます。
2種類の食物繊維をバランスよく取ることで、大きくなめらかな理想の便が形成され排便が容易になり便秘に効果的です。
不溶性2に対して水溶性1の割合が、便秘の解消には最もよいとされています。
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便秘に悪い食材・良い食材
食事制限ダイエットの便秘に影響がある食材の良し悪しは、多くの場合ダイエットや健康へ同じように影響します。
この一覧の食材を使用した食事メニューを意識することで、あなたの身体へ良い影響があると考えられます。
便秘を引き起こす食材
主に食物繊維が少ない、刺激性が強い、脂肪が多い食材が便秘の原因となります。
まず以下を確認し、普段の食事制限ダイエットの食べ方から便秘になりやすい食材・嗜好品を減らしましょう。
- 青い・熟しきっていないバナナ
- 大量の消化しにくいデンプンがある(熟しているバナナはむしろ便秘に良い)。
- カフェイン・アルコール
- 脱水症状を引き起こすため便が固くなる。腸の動きに対し刺激が強すぎて摂りすぎると便秘が悪化する、もしくは下痢なる場合がある。
- 白ご飯・白いパン
- カロリーに対して食物繊維が少ない(玄米等の未精製穀物と比べた場合)。特に白いパンはバター等の添加物が多いので便秘を起こしやすく危険。食事制限ダイエットの大敵。
- 赤身の肉
- 多すぎる脂肪・タンパク質は消化が困難。特に赤身肉の脂肪は悪玉菌の餌になる。豊富な鉄分は便秘を引き起こす。食事制限ダイエット(DASHダイエット等)では基本的には禁止食品。
- チョコレート
- 脂肪が多いので消化が困難。腸の動きを遅くし便秘の原因となる可能性がある。
- いくつかのサプリメント
- 鉄分やカルシウムなどのサプリメントは便秘の原因になる。食事制限ダイエットではサプリはあくまでブースト品として考えよう。
- 大量の乳製品
- 腸内のガスが多くなり、お腹が張り腸の動きが悪くなるので便秘リスクと考えられている。多くの食事制限ダイエットでは非推奨。
- ファーストフード・弁当など加工食品
- 多くのファーストフード・弁当などの加工食品は高脂肪・低食物繊維で便秘には最悪の相性。栄養価も低い。食事制限ダイエットの大敵。
- ポテトチップス
- 高脂肪に加え、食物繊維が少なく栄養価も失われている。依存性も高く食べすぎてしまう。便秘だけではなく食事制限ダイエットのの大敵。
便秘を解消する食材
便秘の解消が期待できる優良食材です。主に食物繊維が多く、そのバランスが良い・便秘に効果的な栄養素があるものが挙げられます。
以下は多くの食事制限ダイエットプランで効果的と考えられている食材ばかりなので、安心して食べてください。
- 豆類
食物繊維が豊富で不溶性・水溶性のバランスが良い。便秘解消に取り入れやすい食材。まごわやさしいの一つで食事制限ダイエットでもよく食べられる。
- キウイ
食物繊維が豊富で便秘に良い。皮に多くの食物繊維・栄養素が含まれており、しっかりと甘いので怖がらずに食べよう。
- さつまいも
食物繊維が豊富で便秘に良い。皮に多くの食物繊維・栄養素が含まれている。糖質が高めだがGI値が低いので、食事制限ダイエットでの甘味として良い。
- ポップコーン
カロリーが低く、食物繊維が多いので摂取量が足りない場合、便秘解消おやつにおすすめ。ただし、バターやシロップのトッピングされた映画館で食べるようなポップコーンはNG。
- ナッツ類・種類
食物繊維が多い食材なのでサラダのトッピング等で気軽に便秘解消できておすすめ。食事制限ダイエットでおすすめだが、カロリーが多いので食べ過ぎ注意。
- 玄米・全粒粉やライ麦のパン
未精製の穀物は食物繊維がとても多く便秘に効果的。全粒粉ライ麦パンは天然の下剤効果もありおすすめ。食事制限ダイエットでパンが食べたくなったら全粒穀物を。
- 梨・プラム・りんご
食物繊維が多い果物。消化器官を調整する。梨は便秘の赤ちゃんによく与えられる。
- ベリー類
食物繊維が豊富で手軽につまめるのがおやつに良い。凍らせたら夏季のデザートとして楽しみながら便秘解消。
- 亜麻仁(アマニ)
食物繊維が多いだけではなくバランスもよく、高い抗酸化作用、オメガ3脂肪酸が豊富と良いことずくめの便秘解消フード。
- ブロッコリー
ビタミンCと食物繊維が豊富な野菜。スーパーで見かけたら便秘解消食品だと思い出してみよう。
- ドライフルーツ
食物繊維が豊富で便秘に良い。砂糖が入っていないものなら食事制限ダイエットでも夜食OK。
- プルーン
自然界のソルビトール(甘味料)が含まれており下剤効果がある。食物繊維も豊富な便秘解消フルーツ。
乳酸菌を摂る
腸内細菌とは
人間は自分でセルロースなどの一部の食物繊維を消化できませんが、大腸内で代わりに腸内細菌が消化してくれます。
腸内細菌は善玉菌・悪玉菌に分類され、そのバランスが体調に大きく影響します。
悪玉菌優位だと腐敗物質を多く生み出され便秘の原因となるほか、放屁での悪臭やガン等の重大な病気に発展する可能性もあります。
善玉菌を多く摂取すると悪玉菌の生育を抑え、便秘やアレルギーなどの体に害する症状の改善が期待されます。
善玉菌増加には乳酸菌
ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌などの乳酸菌が腸内環境を改善する善玉菌です。
他にも発酵食品に多く含まれるので、キムチや浅漬など食事制限ダイエットでおすすめの発酵食品でも効果が期待できます。
腸内環境を良くすることは腸の動きを活発にします。よって、内臓を多く動かすことにつながるので、便秘解消、基礎代謝の向上につながります。
ほかにも免疫力向上やがん予防など、健康全般に効果が確かめられているので、便秘が改善したあとも続けると良いでしょう。
水分を摂る
体内が脱水気味だと腸にある内容物から水分がどんどん吸収され、便が固くなり便秘リスクが高まります。
水分補給は重要かつ即効性があるので、成人の方なら1日当たり1.5〜2リットルの水分補給を目標にしましょう。
生活リズムを整える
自律神経のバランスが崩れると臓器の活動に影響を及ぼし、便秘を起こす原因の一つとして考えられます。
生活リズムを安定させることで自律神経のバランスを整えることができるので、体にやさしい生活を心がけてください。
- 起床後
- 朝日を浴びる
- ストレッチ等の軽い運動をする
- 食事制限ダイエット中でも朝食をしっかり摂る
- 就寝前
- 夕食は就寝2時間前までに済ませる
- 風呂は温めに
- 間接照明などに切り替え薄暗くする
- アロマセラピー・ハーブティーなどを活用
- 寝る前はテレビ・スマホ・パソコンは控える
- 睡眠時間を1.5時間単位で調整する(4.5 ・ 6 ・ 7.5時間)
ストレスを解消する
精神的ストレスは自律神経の乱れを引き起こす原因になり、腸の活動を弱く、もしくは活発にしすぎるなどの理由で、便秘の原因となることがあります。
その他、身体的な悪影響を及ぼす原因となるので、その人なりのストレス解消方法を前向きに試してみてください。
- 腹式呼吸
- ストレッチ・ヨガ
- 無理のない運動
- 15分程度の昼寝
- 友達と交流
- よく笑う
- ストレス源(仕事等)以外の趣味
ストレス解消の誤解
喫煙はストレス解消に役立ってはくれません。
飲酒は適度な量なら効果がありますが、習慣的・過剰な飲酒は逆効果です。飲酒はそれ自体が便秘の原因になるので、できるだけ控えましょう。
趣味や運動も日常生活に支障をきたすほどやるべきではありません。
食事制限ダイエット便秘のまとめ
いかがでしたでしょうか。
それほどひどくありませんが食事制限ダイエットを始めた結果、私自身便秘がちになってしまい、3,4日お通じがないと、体が重くストレスを感じることが多くありましたが、今回ご紹介した事を少しずつ実践して、便秘はまずまず解消していますので、あなたの症状が楽になるよう自身を持っておすすめできます。
最後にそれぞれの項目をおさらいしておきましょう。
- 食物繊維を摂る : 便を大きく滑らかにし、排便を容易にする。
- 乳酸菌を摂る : 腸内環境を整え便秘改善などの良い効果が期待できる。
- 水分を摂る : 便を柔らかくするための水分を補給。
- 生活リズムを整える : 自律神経を整え臓器の働きを正常に整える。
- ストレスを解消する : 身体的な悪影響のリスクを減らす。
以上の項目を実行し、健康で豊かな人生になるよう共に頑張りましょう。
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