「痩せたい、でもマヨネーズが食べたい!」この世には何人の迷えるダイエッター兼マヨラーがいるのでしょうか。人を魅了する調味料「マヨネーズ」。一般的には食べると太るイメージです。
そこで、食事制限ダイエット中でも気楽にマヨネーズを楽しむ方法をご紹介します。
理解を深めて何も心配せずにおいしくマヨネーズを味わい尽くしましょう。
Contents
マヨネーズの基礎知識
マヨネーズと痩せること
普通、人は健康への影響をあまり考えずにマヨネーズを食べています。しかし、食事制限ダイエットを始めたきっかけで、マヨネーズを食べてよいのかどうか疑問を感じ始めます。おそらく「カロリーが高い」というイメージのせいで、その疑問が生まれるのでは無いかと思います。
マヨネーズはカロリーが高いのか?
間違いなく高い。まず、以下のリストを見てください。
- マヨネーズ100gの主要栄養成分
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- カロリー – 703kcal
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主要な成分の割合 | 成分名(1gあたりのカロリー)
- 水分(0kcal) – 20.2%
- タンパク質(4kcal) – 2.8%
- 脂質(9kcal) – 72.3%
- 炭水化物(4kcal) – 1.7%
水分にはカロリーが無いので、ほとんどが脂質(油)であることがわかります。脂質のカロリーは三大栄養素(?)1【三大栄養素】タンパク質・脂質・炭水化物の3点。主にエネルギーの元となり、食品における大部分のカロリーを占める。の中でダントツに高い1g当たり9kcalです。摂取カロリー − 消費カロリー = 体重の増減という「基本原則」があるので、何も考えずにマヨネーズをたっぷり食べると太ります。
「太るんだったらマヨネーズは食べられないの?」
そう不安にならないでください。「基本原則」さえ守ればマヨネーズを食べることは可能です。 やり方にこだわれば、むしろたっぷりと食べても太りません。
食事制限ダイエットをしている人は一日の目標摂取カロリーがあると思います。もし目標カロリーが決まっていないなら“運動嫌いが食事制限のみで確実にダイエットできる1日の流れ – 一日の目標カロリー設定と測り方”を確認して設定してみてください。今回はこんな人を想定しました。
- 女性 30代 155cm 58kg(標準体重より+5kg)
- 事務職で運動はあまりしていない(身体活動レベル(?)2【身体活動レベル】日常生活で身体を動かす度合いを段階別に分けた指標。職種別に見ると、事務職などデスクワークに従事する人はレベルが低く、激しい肉体作業を伴う仕事はレベルが高い。低 ×1.3)
- 一日の目標消費カロリー 約1500kcal
PFCバランスからわかる、マヨネーズを食べて良い理由
「目標消費カロリーが1500kcalの人が一日にどれくらいマヨネーズを食べても良いか」を栄養バランスの観点で考えてみます。ここでは、PFCバランス(?)3【PFCバランス】総摂取カロリー量のうち、各三大栄養素がどれくらいの割合を占める割合を表したものと言う基準をうまく使うと良いでしょう。
- PFCバランスの意味と《理想的な摂取比率》
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- P – Protain – タンパク質 – 《15% – 225kcal》
- F – Fat – 脂質 – 《25% – 375kcal》
- C – Carbohydrate – 炭水化物 – 《60% – 900kcal》
上のリストから脂質の一日あたり許容範囲は375kcalだということがわかります。糖質制限ダイエット(?)4【糖質制限ダイエット】糖質を控えめにするダイエット。糖質とは砂糖・果糖やいも・穀物などのでんぷんのこと。糖質をむやみに取ると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンというホルモンが余計な糖質を脂肪に変える活動をする。を実施している人は、炭水化物を減らし、脂質を増やしていると思います。しかし、ビタミンなどの栄養素を効率的に取るために、穀物・いも類やフルーツを食べたほうが良いと考えられるので、あまり極端に炭水化物を減らさないようにしてください。目安として脂質450kcal(30%)程度で良いでしょう。
普通の食品にも脂肪分が含まれています。また、現代の日本人の平均的なPFCバランスでは脂肪分が多くなっています。このことから、普段の食生活で余計な油(?)5【控えたほうが良い油】《警告 : トランス脂肪酸》市販の揚げ物(過酸化・アレルギー物質)、菓子・パン(マーガリン・ショートニング・生クリーム)《注意 : 飽和脂肪酸・リノール酸(オメガ6)》肉の脂肪分、サラダ油などのスーパーで買える油を取らないように気をつけてください。肉を食べるなら鳥の胸肉(皮なし)や牛(豚)ヒレ肉にする・調理油を使わない料理をするなどの工夫が必要になります。
仮に料理から200kcalの油(大さじ2杯分弱)を取ったとしましょう。一般的なPFCバランスならマヨネーズ大さじ2杯(175kcal)、糖質制限食なら大さじ2〜3杯分の余裕ができます。これだけのマヨネーズが食べられるなら、かなり楽しめそうですね。
- 補足 : 油は腹持ちが良い
油と炭水化物の比較、代表的な食材としてマヨネーズとおにぎりで例えてみます。マヨネーズ大さじ2杯とセブン-イレブンさんの梅おにぎりはどちらも約165kcal。見た目の大きさならダントツおにぎりのほうが大きいのですが、腹持ち(食後から空腹感を感じるまでの時間)はマヨネーズの方が長いのです。マヨネーズ(油)は胃の活動を緩やかにするので長い間胃の中にとどまります。対して梅おにぎり(炭水化物)は早くて2時間ほどで胃を通過するのです。
また、食後血糖値の変化も空腹を感じることに影響があります。炭水化物を食べると、急激に血糖値が上がり満腹感を感じます。そして2時間ほどで血糖値が急激に下がり空腹感を感じるのです。対して、血糖値の上下がゆるやかな油はその影響が少ないです。
ただし、油は少ない量で高カロリーなので容積が小さく、胃の内部を押し広げる事により感じる満腹感を得ることがとても難しい。なので、満腹を感じるまで食べ続けず、適度な時に食事を終える必要があります。
マヨネーズはなぜおいしいのか
おいしいイタリアンレストランのペペロンチーノ。プロが作るペペロンチーノはシンプルな材料なのにとてもマイルドで驚くほどおいしいですよね。あれは油分と水分、本来交わらないものが結びつく状態「乳化」が影響してなめらかな食感になっているのです。乳化をすると緩衝能(?)6【味の緩衝能】pH値(酸性・アルカリ性)を安定させ、味をまろやかにすること。緩衝能が強いと調味料と食材の味がまとまりおいしく感じやすい。が強くなり、食材の味をまとめあげて、食べた時においしく感じさせます。
また、卵と酢などの他の原材料が、植物油特有の油くささをおさえるから、マヨネーズはとても食べやすくなっています。
ただし、多くの市販マヨネーズには化学調味料や砂糖などで味を整えているので、味覚を大事にする人にとっては、少し刺激が強すぎるかもしれません。
- 補足 : マヨネーズでドレッシング
マヨネーズからドレッシングを作ると、乳化がうまく働いて、とてもおいしいドレッシングができます。オーロラソースやシーザードレッシングなどの定番はもちろんおすすめですが、適当に作っても味がきまるので、好きな組み合わせをたくさん考えてみてください。
酢しょうがとマヨの簡単ドレッシング
つくれぽ多数の人気健康レシピ。豚しゃぶにかけるとおいしい。
ごま味噌豆板醤マヨドレッシング
濃厚だがヘルシー。味がしっかり決まるから量の調整を。
お茶マヨネーズドレッシング
お茶という発想はなかった!茶葉は栄養たっぷり。
マヨネーズで健康的にダイエット
マヨネーズは「体に良い・悪い」どちらでしょうか?油の特性上、カロリーあたりの栄養価が低いので、いわゆるマヨチュッチュ(マヨネーズ単体で食べるマヨラーの最終奥義)は止めたほうが良いでしょう。では、どのようにすれば「体に良い」マヨネーズの食べ方ができるのでしょうか?
キユーピーマヨネーズを考察
- キユーピーマヨネーズ(スタンダードタイプ)原材料
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- 食用植物樹脂
- 卵黄
- 醸造酢
- その他(食塩・アミノ酸・香料・香辛料抽出物)
マヨネーズの基本材料は「油」「卵黄(全卵でも可)」「酢」の3つです。塩などは味の調整の役割があります。それでは最大の主要成分「油」の成分に注目してみましょう。詳しい配分はわかりませんが、キユーピーマヨネーズには「なたね油」「大豆油」が使われています。この2つはリノール酸(オメガ6)とオレイン酸(オメガ9)が主な成分です。
ここで注意したいのはリノール酸について。リノール酸は体に必要な成分ですが、取りすぎるとアレルギーの原因になる場合があります。対してオレイン酸はその問題がないので、オレイン酸の比率が高いマヨネーズを選んだほうが、より賢い選択と言えるでしょう。なたね油は植物油の中ではオレイン酸の比率がやや高い油です。しかし、リノール酸の割合は低いものの無視できないレベルです。
- 補足 : カロリーをおさえたマヨネーズタイプ調味料(サラダクリーミードレッシング)
キユーピーさんの商品を例に上げましょう。「キユーピーハーフ」・「ゼロ ノンコレステロール」など、カロリーやコレステロールをおさえた健康志向の商品です。製法がJAS法のマヨネーズの定義から外れているので、サラダクリーミードレッシングというジャンルに当てはまります。植物油を減らして作られており、オリジナルの風味に近づけるためにさまざなな添加物が加えられています。食べる人の好みや体調により、どちらを選ぶべきなのか検討する必要があると思いますので、参考にしてください。
オリーブオイルマヨネーズのススメ
私のおすすめは、オリーブオイルを使ったマヨネーズです。オリーブオイルはその成分のほとんどがオレイン酸で、身体に悪影響があまりありません。そして、ビタミンEやビタミンKなどの栄養素が豊富でなので、日常的に使ってほしい油の一つです。
市販品のオリーブオイルマヨネーズはなかなかスーパーマーケットでは見つからないので、通販で購入しましょう。
オリーブオイルマヨネーズのレシピ
意外に感じるかもしれませんが、マヨネーズは簡単に作れます。少量のマヨネーズを作って、なるべく早く使い切るようにすれば、風味豊かで新鮮なものを楽しめます。また、あなた自身で原材料にどれくらいの油が含まれているか確認しながら作れるので、カロリー管理に良い意識付けができると思います。
- ピュアオリーブオイル – 精製されており不純物と風味が少ない
- エキストラバージンオリーブオイル – オリーブから絞り出したオイルで風味が強い。
このように2種類のオリーブオイルがあるのを知っていますか?簡単にマヨネーズを作れるオイルは 、ピュアオリーブオイルなので、マヨネーズづくり初心者の方はそれからチャレンジすれば良いでしょう。
やっと納得!黄金配分☆手作りマヨネーズ♡
レモン汁は、穀物酢でもOKです。お好みに合わせて使ってください。フードプロセッサーが無いなら泡立て器で混ぜましょう。
- 【Amazon】モンテベッロ ピュア・オリーブオイル 5L – 私が常備してあるピュアオリーブオイル。揚げ物をする人はオリーブオイルを使うだけで、今までよりもカラッと揚がるのでとてもおすすめ。
より良いマヨネーズの食べ方
マヨネーズを温野菜で食べる
繰り返しますが、マヨネーズは主成分が油です。油は脂溶性ビタミンの吸収を助けます。
- 脂溶性ビタミン類(種類 – 多く含まれる食品 – 主な作用)
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- ビタミンA – レバー・緑黄色野菜 – 目の健康維持・感染症予防
- ビタミンD – サケ・サンマなど – 骨を作る
- ビタミンE – かぼちゃ・アーモンドなど – 血行を良くする
- ビタミンK – 葉菜(あしたば など)・納豆など – 骨を丈夫にする
肉・魚・種子類は油を多く含むので気にする必要はありませんが、野菜には油分が少ないものが多く、ビタミンの吸収をたすけるためにマヨネーズを付けて一緒に食べましょう。私のおすすめはレンジでチン温野菜です。温めることで野菜が柔らかくなり、マヨネーズとよく絡みます。緩衝能も作用するのか、全体的にまろやかになってとてもおいしい。野菜は緑黄色野菜(?)7【緑黄色野菜】可食部100gに600マイクログラムのカロテンを含んだ野菜の事を言う。緑・黄色・赤などの色が鮮やかなものが目安。ブロッコリー・かぼちゃ・にんじんなどがこれに該当する。を中心に選びましょう。すべての緑黄色野菜はビタミンAが豊富なので、とても良い食べ合わせです。
- 補足 : マヨネーズの原材料にはビタミンがいっぱい
- マヨネーズの主要原材料として卵(卵黄)があります。卵にはビタミンAやビタミンB群が多く含まれています。中でもコリンというビタミンB群に含まれる栄養素は、思考力の向上に関与する可能性が考えられているので賢いダイエッターなら注目すべきですね。
ちょっと変わったマヨネーズの食べ方
マヨネーズはタンパク質の結合を柔らかくする特性があり、それを利用して肉・卵料理を柔らかくします。
まとめ – ダイエットでのマヨネーズについて
「これからもマヨネーズを食べても良いかな」と思えましたか?私はマヨネーズは食事制限ダイエット食材として”有り”じゃないかと思っています。自分の食べるものをしっかりと理解して適切に選べば何を食べてもよいのです。そして、オリーブオイルマヨネーズはさらに健康価値が高いので、作る技術(簡単です)を一度身につければ、あなたのダイエットライフがもっと楽しくなることでしょう。
最後に大切な項目をまとめました。
- 基本的にはマヨネーズから脂質を取る。料理を選ぶ時には気をつけて。
- 一日のマヨネーズ摂取量は大さじ2(主食を控えるなら3)までに留める
- 温野菜とマヨネーズの組み合わせは最強
- オリーブオイルマヨネーズの作り方を覚える
以上、マヨラーが健康的にダイエットできるための記事です。よかったら他のページも見ていってくださいね。
- スーパーでサラダ油は買うな!健康管理もダイエットの約束です。
- 体に良い調理油で一番に思いつくのはオリーブオイル。今回ご紹介した、マヨネーズにおすすめの油です。悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす作用があり、ビタミンが豊富で健康価値がとても高い。そして、私があなたにおすすめしたいオリーブオイルのすごいところは、高温で調理しても「過酸化物質」の発生が少ないとても優秀な油ということ。美容にとても効果があるということです。ごく一般のサラダ油とは品質のレベル感がまるで違います。そして、高温調理するならピュアオリーブオイルがおすすめ。不純物を取り除いているので、高温調理時の嫌な煙がほとんど出ません。
- モンテベッロ ピュア・オリーブオイル 5L
- 参考書籍
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- 決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典【電子書籍】[ 足立香代子 ]食事制限ダイエットをするなら手元に一冊あると便利。栄養素だけではなく主要な食材が幅広く確認できる。
- 食品解説つき 新ビジュアル食品成分表 新訂第二版
- 「さすが!」と言われる 料理の裏ワザ全書 (KKロングセラーズ) Kindle版
- 参考サイト
専門的な言葉
1. | ↑記事へ戻る | 【三大栄養素】タンパク質・脂質・炭水化物の3点。主にエネルギーの元となり、食品における大部分のカロリーを占める。 |
2. | ↑記事へ戻る | 【身体活動レベル】日常生活で身体を動かす度合いを段階別に分けた指標。職種別に見ると、事務職などデスクワークに従事する人はレベルが低く、激しい肉体作業を伴う仕事はレベルが高い。 |
3. | ↑記事へ戻る | 【PFCバランス】総摂取カロリー量のうち、各三大栄養素がどれくらいの割合を占める割合を表したもの |
4. | ↑記事へ戻る | 【糖質制限ダイエット】糖質を控えめにするダイエット。糖質とは砂糖・果糖やいも・穀物などのでんぷんのこと。糖質をむやみに取ると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンというホルモンが余計な糖質を脂肪に変える活動をする。 |
5. | ↑記事へ戻る | 【控えたほうが良い油】《警告 : トランス脂肪酸》市販の揚げ物(過酸化・アレルギー物質)、菓子・パン(マーガリン・ショートニング・生クリーム)《注意 : 飽和脂肪酸・リノール酸(オメガ6)》肉の脂肪分、サラダ油などのスーパーで買える油 |
6. | ↑記事へ戻る | 【味の緩衝能】pH値(酸性・アルカリ性)を安定させ、味をまろやかにすること。緩衝能が強いと調味料と食材の味がまとまりおいしく感じやすい。 |
7. | ↑記事へ戻る | 【緑黄色野菜】可食部100gに600マイクログラムのカロテンを含んだ野菜の事を言う。緑・黄色・赤などの色が鮮やかなものが目安。ブロッコリー・かぼちゃ・にんじんなどがこれに該当する。 |